『ZANMAIとの年月』













 
  本流から小渓流まで、私の釣りで最も出番が多いルアーがこのソリストシャッド50 。
  抜群の安定感でシチュエーションを選ばない。
  白泡の荒瀬の中でもバランスを崩して飛び出す事なく、
  バルサならではのレスポンスの良いアクションで魚を誘ってくれる頼れるエースルアー。

  上)15thモデル、出番は減ったがまだまだ現役の10年選手。
  中)25thモデル、最新のソリストシャッド50
  下)本流で出番が多いソリストシャッド60

  いずれも一見してソリストシャッドと分かる造形だが、比べてみると違いがよく分かる。
ZANMAI LURES 25周年おめでとうございます。

業種は違えど、同じ物作りを生業とする者として、
この25年間、数え切れないルアーを世に送り出された小平さんには
頭が上がらない思いであり、またそれだけに留まらず、
様々なことにチャレンジされている姿に感銘を受けるばかりです。

私は渓流釣り歴こそ小学生の頃から三十年余りだが、
トラウトルアーフィッシングとなると十数年。

ルアーを始め間もなくしてZANMAIのミノーを手にした私にとっては、
振り返るとその殆どの時間がZANMAIとともにある。

きっかけはお産を控えた妻の病室で読んだ釣り雑誌で、当時を懐かしく思い出す。

渓流ルアーを始めたばかりの私、文中の用語など初めて知ることに頭が追いつかずも
パラパラとページを巡っていると、綺麗なアマゴを手にした男性の笑顔が目についた。

「なんて楽しそうに釣りをする人だろう!」
写真に心を打たれた私は食い入るようにその記事を読み、
その男性がZANMAI LURES代表の小平氏と知ったのだ。

ZANMAI のルアーがどこで販売されているのかを調べ、
ザ・ナチュラリストリバーサイドに買いに走った事や、
初めて使った時のことを今でもよく覚えている。

あれから十数年、数々の素晴らしい経験とともにあったZANMAIのタックル。

沢山の素晴らしい魚との出逢い、 小平氏をはじめ多くのアングラーとの出逢い。

釣り雑誌への掲載など、すべて私にとってかけがえのない経験、財産となっている。

新しいルアーを手に取る度に「今回はここが変わったか」など何かを感じ取るのも楽しい。
新旧様々、十年選手まで混在する私のルアーケースは、一見してZANMAIだと分かるルアーでぎっしりだ。

小平氏の物作りへの根本にあるものは変わらないが、同じシリーズでも
顔やリップの形状・素材、あるいはルアーの体高や厚みも、作られた年代によって異なり、
フルハンドメイドの難しさや、小平氏のルアー作りへの創意工夫が感じられる。

勿論、それによって同じルアーでも微妙に泳ぎの質も異なり、
ロッドワークや魚へのアプローチも変わってくるため、
理解を深めると多彩な攻め方ができるようにもなる。

使い込んでリップの形状が原型を留めないもの、修理から返ってきたもの・・
その進化と変化を楽しめるのも、長くハンドメイドルアーを使うことの醍醐味だと思う。

最後に。いつかのSNSで 「第二章・・いや最終章を全うします。」
と書かれていましたが、最終章と言わず、第三章、第四章と楽しみながら、チャレンジを続けて下さい。

益々のご清栄をお祈り申し上げます。

いつまでもZANMAIファミリーの一員ですよ!

                    ZANMAI LURES プロスタッフ 岩ア直之

この5月よりZANMAIプロスタッフとなった岩アさん。

息子さんが始めた空手道場に付き添ううち、自分もイチから習い始め、
今ではシニアの部で好成績を修めるほどだという。
成長を続ける息子さんへの負けん気からじゃないかと、勝手に推測しているがどうだろう。

フィールドテスターやプロスタッフは名誉職みたいなところがあるけれど、
質実剛健な岩アさんのことだ、しんどい思いをさせてしまうことがあるかもしれない。

その実直さと男気、負けん気で乗り越えて、
皆さんに信頼されるプロスタッフになって欲しいと心から願っている。

皆さんどうぞよろしくお願いいたします。

                              ZANMAI  小平豊